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美味しい料理の影に、道具あり!理由がある私の道具

2018/03/26

美味しい料理の影に、道具あり!理由がある私の道具

美味しい料理の裏には、必ずといっていいほど料理をする人の手に馴染む、愛着の道具があります。
それは、包丁だったり、まな板だったり、おひつだったり、またある人にとっては鍋だったり。
これまでも、そしてこれからも、料理をし続ける限りずっとずっと付き合っていきたい“ 相棒”について4人の料理家さんが紹介してくれます。
そこには、長くずっと使い続ける“ 理由”が存在していました。

『有次』の柳刃包丁|久保香菜子さん

母から贈られた一生ものの刺身包丁
dsc_0450使用歴:約3 0 年
私と包丁のヒストリー
名前入りの包丁はお母様が久保さんが将来使えるようにと学生時代に用意してくれたもの。

調理師学校で研ぎ方や使い方の基礎を学び、以来30年ほど愛用している。

1-3a_dsc_0404切りずらい巻き寿司も、柳刃を使えば美しい断面に。
刃渡り24 ㎝のものを愛用

この包丁は学生時代に母が買ってくれたもの。
京都の『有次』のもので、母もここの包丁を長年愛用しているんです。
調理師学校に入った時から使っているので、もうすでに30年来の付き合いになりますね。

柳刃の特長はシャープな切れ味。
お刺身は盛ってあるものを買うより自分で切った方が断然美味しいですよ。
これがあればそぎ造りにして昆布締めにしたり、身の厚い部分は切り分けて焼き物にしたり、一册買ってもいろんなことができて楽しめる。
お刺身に限らず巻き寿司やローストビーフを薄く切る時にもこの包丁は大活躍するんです。

仕事で他の包丁を使ったこともありますが、刃の当たりの柔らかい感じが好きで、私はずっと『有次』ひと筋。
自分で使い勝手がいいように研いでいるのでこれが一番なんです。
包丁はきちんとしたところのものであれば、そこから先で大事なのは研ぎ方。
丁寧に手入れをすれば何十年と使える。
もちろん母の包丁もいまだに現役なんですよ。

いろいろな盛り付けスプーン|久保香菜子さん

〝使える〞理由は厚さにありdsc_0437使用歴:1 3 ~ 2 3 年
私と盛り付けスプーンのヒストリー
スプーンのヒストリーあちこちで出会い今では10 本前後あるというスプーンは、すべて実用ありきで選んだもの。
『3分クッキング』出演以来使っている右端のスプーンは20 年以上使っている、一番の古株。

2-6a_dsc_0394厚みのあるスプーンは煮物向き。
おたまに比べると湾曲が緩やかなのもポイント

作って終わりではなく、器に盛り付けるところまでが料理。
きれいにできた煮物も、盛り付ける際に崩れてしまったらがっかりするでしょ?
そんな時に活躍するのが盛り付けスプーンです。

一番右は、TV番組の『3分クッキング』が作った、“大好きスプーン”。
厚みと丸みがあるため、食材への当たりが柔らかく、煮物などを崩さずに盛り付けられるの。

右から二番目は、ベトナムのもの。
これは逆に薄くてエッジが立っているので、煮物には不向き。
ブラマンジェなどのデザートをスッときれいにすくうのに便利です。

その隣の木製のふたつのスプーンは赤木明登さんのもの。
木製品は厚みがあるものが多いけれど、これは薄いのですくいやすく、食卓での取り分け用にしています。

厚みや素材はいろいろですがどれも実用ありきで選んだもの。
工芸のもので、用をなさないものは好きじゃないんです。
それならいっそオブジェでいい。
見た目ではなく、どう使えるかという視点で選んでいます。

%e3%82%ad%e3%83%aa%e3%83%8c%e3%82%ad1-1_dsc_0324【久保香菜子】
料理研究家。書籍や雑誌等での料理製作や、レストランのメニュー開発、料理教室など食の世界で幅広く活躍中。『美しい一汁二菜』、『きちんと、野菜の小鉢』(河出書房新社)など著書多数

母親から譲り受けたやかん|細川亜衣さん

日々をともに歩む道具_99a8115使用暦:約1 0 年
私とやかんのヒストリー
約10 年前にお母様が古道具店で買ってきたやかん。
ぴったりの蒸し網を見つけてからは、蒸し器としての出番も増えた。
銅製の道具の魅力に気づくきっかけに

%e3%82%ad%e3%83%aa%e3%83%8c%e3%82%ad_99a81403年前、京都で見つけた蒸し網が鍋底にぴったり。
蒸し器としての出番が増えた

銀、アルミ、ステンレス……金属が好きです。
ちょっと冷たい感じのするものが、使っていくうちに摩耗していき柔らかな風合いに変わっていくのに惹かれます。

かなり味わい深く経年変化したこのやかんは、約10 年前に母が古道具店で見つけてきてくれたもの。
家にあった木蓋をのせたらぴったりで、以来セットにして、日々の暮らしに欠かせない存在です。
朝は、やかんでお湯を沸かすことから一日がはじまります。
やかんとしてはもちろん、レンジがないわが家では、蒸し器としても大活躍。
パンを蒸す時によく使っています。

見た目の美しさもさることながら、銅はとにかく熱伝導が素晴らしい。
火のあたりが優しく柔らかいところも気に入っています。
基本的にものが戸棚の外に出ているのが好きではないのですが、唯一、このやかんだけは別。
毎日、コンロの上の定位置で、日々の暮らしを見守ってくれています。

%e3%82%ad%e3%83%aa%e3%83%8c%e3%82%ad_99a8268【細川亜衣】
料理家。イタリアに渡った後、現在は熊本を拠点とし、各地で料理教室、料理会、執筆など、料理を通したさまざまな活動やイベントを行っている。著書に『スープ』、『食記帖』(リトルモア)など

『仔犬印』のフライパン|瀬戸口しおりさん

シンプルな料理をぐんと美味しくするdsc_9449使用暦:2 0 年以上
私とフライパンのヒストリー
結婚する前、一緒に暮らし始める時にご主人が“婿入り道具”として持ってきたもの。
瀬戸口さんに受け継がれて、20年以上経った今も大切に使われている

6-3_dsc_9456お弁当を作る時の必需品。
カブをさっと炒め、味付けは塩のみとシンプルに

主人と合わせて20年以上、ずっと使い続けている鉄のフライパンです。
お気に入りなのは、直径18㎝という小ぶりなサイズ感。
小さいので鉄でもずっしり重くなく、サッと洗ってすぐ別の料理に使えるので、長男・和楽のお弁当を作る時はこれひとつで。
持ち手にさりげなく“コイヌ”と描いてあるかわいさにも魅かれますね。

鉄のフライパンは、お肉やパンケーキなど、シンプルな料理ほどよさが出ると思います。
中でも、目玉焼きは美味しい!
卵がきゅっと一気に固まって、周りがカリカリ・チリチリの目玉焼きができます。
目玉焼きの好みは人それぞれですが、私はこの焼き加減が好きなんです。

他のフライパンに比べると、鉄はしっかり火で乾かして、油を塗って……と、少し手間はかかります。
でも、その分愛着が湧きますし、手をかければちゃんと美味しく焼き上がる信頼感があります。
いざという時に頼れるフライパンですね。

%e3%82%ad%e3%83%aa%e3%83%8c%e3%82%ad【瀬戸口しおり】
東京・吉祥寺にあった『諸国空想料理店KuuKuu』で働いた後、同店シェフで料理家の高山なおみ氏のアシスタントを経て、独立。『おいしい歳時記』(オレンジページ)など、著書多数

『陶片木』で買ったまな板 『仔犬印』のフライパン|飛田和緒さん

丸い形が自分にぴったり!_x6a7195使用暦:2 0 年以上
私とまな板のヒストリー
松本の『陶片木』が職人さんに頼んで作っているもので、20年以上前に出合って以来まな板はずっとこれ。
傷んだら削りに出し10 年以上使って今は2 代目を愛用

_x6a7019自立するデザインで、接地面が少ないため風通し
がよく、清潔感をキープできる

初めて出会ったのは20年以上前。
松本にある『陶片木』という器屋さんに通ううちに、ご主人に紹介されたのがこのまな板でした。

それまでは狭い台所で細長いまな板を縦に置き、回転させながら苦労して使っていたんです。
だから、丸いまな板がすごく新鮮でした。
これなら狭いところにも置けるし、多少両サイドが台からはみ出しても安定感がある。
これはいいなと思って買ったら、本当に大正解!

丸いので長年回しながら切っていた方法がぴたりと合うんです。
端で切ったらくるっと回して切り、またくるっ。
使っては洗い、と切るたびにしなくても、家族分くらいの切り物なら、くるくる回転させながら切っていけるので、私にはぴったりでした。

一枚板を使って職人さんが作っていて、傷んできたら表面を削ってきれいにしてくれるのも嬉しいもの。
大小あるまな板はそれぞれ2代目。
私の毎日には欠かせない道具です。

%e3%82%ad%e3%83%aa%e3%83%8c%e3%82%ad_x6a7462【飛田和緒】
料理家として書籍や雑誌等で活躍している。家庭で作れる簡単で美味しいレシピが人気。暮らしまわりについての文章も多数執筆。葉山にて家族3 人+1匹と暮らす

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