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パンとワインの専門家が作る朝食サンドイッチとパーティー向けサンドイッチ by料理研究家 高橋雅子さん

2018/06/18

パンとワインの専門家が作る朝食サンドイッチとパーティー向けサンドイッチ by料理研究家 高橋雅子さん

大人気のパンとワインの教室を主宰している高橋さん。
多忙な日々の中でも、毎日のご飯作りは欠かしません。栄養豊富な朝向けサンドイッチと、ワインに合わせたい夜サンドイッチ。ホームパーティーの時、何を作ろうかと悩むことが多いですが、そんなときこそパンに好きな具をのせて挟んで楽しめるサンドイッチがおすすめです。パーティーの際に、前菜やメインで楽しめて、簡単におしゃれに見せる演出の仕方。いずれもすぐに真似したいサンドイッチを教えていただきました。

ベーグルはパサつかない。だから作り置いても美味しいんです

ベーグルサンドにはコーヒーを、タルティーヌにはワインを。ベーグルサンドにはコーヒーを、タルティーヌにはワインを。
合わせるドリンクで楽しみがさらに広がるのも高橋さんのサンドイッチの特徴だ

大人気のパンとワインの教室を主宰し、書籍や雑誌の撮影、企業へのメニュー提供など多忙な日々を送り、そのかたわらでご主人と息子さんの毎日のごはん作りも欠かさない高橋雅子さん。
そんな高橋さんにとってサンドイッチとは、「誰かのために作るもの」。
ゆえに作る相手が誰なのかによって、レシピも見た目もさまざま。

ご主人と息子さんが朝に食べるサンドイッチならば、パンはベーグルをチョイス。
朝の時間を大切に使いたいから、用意は前日の夜に。
具材をサンドしたら、縦半分にカットしてラップに包み冷蔵庫へ。
冷蔵庫に入れることで、具材の水分がベーグルに移り、翌朝ちょうどなじんで食べ頃に。

「もちろん作ってすぐに食べても美味しいのですが、なじんだ頃もまた美味しいんです。ベーグルって冷蔵庫で保管してもパサパサしない珍しいパンなんですよ。厚みのある生地がサンドした具材の水分を受け止めてくれますし。その特性を生かして前日の夜に作っておけば、朝がラク。家で食べられなければ、会社や学校に持って行ってもいいですしね」

家族が食べるものは野菜も動物性たんぱく質も一度に摂れるレシピにしたい。家族が食べるものは野菜も動物性たんぱく質も一度に摂れるレシピにしたい。
それらの素材を合わせてペーストを作ることも。
高橋家の朝の食卓にはラップに包まれたベーグルサンドが。
「各自、自由に食べるスタイルです」

 

ワインに合わせるなら、薄いバゲットでおつまみサンド

タルティーヌ一方、夜のサンドイッチは、お酒に合わせて作るものがよい。
ワインの専門家でもある高橋さんの味覚センスが盛り込まれたパーティーやおもてなしにも重宝するタルティーヌを教えてくれた。ワインの香りの中にある要素をタルティーヌの具材にも入れるという一見難しそうなマリアージュをどんどん作っていく。

グリーンカレーキーマサンド例えば、軽めの白ワインであれば、レモンなどの柑橘系の香りを持つので、
さわやかさと苦味のあるディルを合わせるなど、選ぶハーブはワインに合わせる

「ふだんの撮影でもそうですが、現場でレシピを作ってしまうことも多いんですよ(笑)。これとこれが美味しそうかなと頭の中でイメージしたらそれを合わせて作ってみる。そうやって出来上がったメニューはなかなか好評で、〝ワインの会〞でメニューに加えることもあります」

ワインの会とは月に1回程度開かれる友人たちが集まる高橋さん主催の会。
タルティーヌは定番だが、ディップやペーストをいくつか用意して、薄く切ったバゲットに自由にのせて食べるスタイルも最近のお気に入り。仲間たちが集うパーティーでは、どんどんワインが空き、タルティーヌや用意されたバゲットにも手が伸びる。

朝と夜、食感も味もまったく違うサンドイッチレシピ。
それらには、講師として、妻として、ママとして、ひとり何役もこなす高橋さんならではの、テーブルを共にする相手を想って作る愛情が詰まっている。

B R E A K F A S Tこの日のために焼かれたベーグルを使うという贅沢なサンドイッチ作りこの日のために焼かれたベーグルを使うという贅沢なサンドイッチ作り。
高橋さんのお店でもモチモチした食感のベーグルは大人気。
コロンとして愛らしい見た目も魅力のひとつ

D I N N E R一気に作ってテーブルに並べたいタルティーヌのせる具材やペーストを用意したら、一気に作ってテーブルに並べたいタルティーヌ。
数種類用意することで、あれもこれもと試したくなり、
ワインが止まらなくなる魅惑の味わい

赤ワイン、白ワインに合わせるタルティーヌ味つけのコツ

赤ワインに合わせて……赤ワインに合わせるパンお肉や香りの強いものともマッチする。
写真は、クリームチーズとクランベリーを混ぜてバゲットに塗り、
チャーシュー、ピンクペッパー、ピスタチオを合わせた

クリームチーズクランベリーチャーシューピンクペッパーピスタチオ

白ワインに合わせて……
白ワインに合わせるパン相性がいいのは、淡白な味わいやさわやかな味わい。
写真の例は、練りごまと柚子こしょうを混ぜてバゲットに塗り、
蒸し鶏、大葉、白ごまをトッピング

練りごま柚子こしょう蒸し鶏大葉白ごま

ワインに合わせて素材を変えるタルティーヌ

素材を変えるタルティーヌ

軽めの赤には
生ハムのパテ×ドライトマト
生ハムのパテ×ドライトマト

軽めの赤にはチャーシューや生ハムなど赤いもの、スパイスが合う。生ハム50g、バター40g を合わせてペーストにしたものをバゲットに塗り、イタリアンパセリ、オイル漬けのドライトマト、オリーブをのせる

 

 

 

重めの赤には
ブルーチーズ×イチジク
ブルーチーズ×イチジク

重めの赤ワインには惣菜感があるものは避け、ナッツやブルーチーズなど主張の強い素材を合わせたい。ブルーチーズをバゲットに塗り、クルミ、ドライイチジクをトッピングし、上からブラックペッパーをかける

 

 

 

軽めの白には
クリームチーズ×サーモン
クリームチーズ×サーモン

軽めの白には柑橘系の香りを含むものが多いので、さわやかなディルやレモンゼストを合わせて。クリームチーズをぬったバゲットにスモークサーモン、ディルをのせ、ホワイトペッパー、レモンゼストをかける

 

 

 

重めの白には
エビ×マンゴー
エビ×マンゴー

黄金色をしていることもある重めの白ワインは、バターのような香りを含むことが多いのでバターを使用するといい。バターを塗ったバゲットに、スライスマンゴー、ボイルしたエビをのせ、ミントをトッピング!

 

 

 

 

“ おつまみ” らしさをキープするためのポイント

パンは薄く・小さくパンは薄く・小さくお腹に溜めないためには、薄く切って、さらに小さく切る。
片手の親指と人差し指で持てるくらいのサイズならば、
具材ものせられるうえちょうどいい

塗り過ぎ・のせ過ぎはご法度塗り過ぎ・のせ過ぎはご法度量を少なくするのがポイント。
好きな具材はついのせたくなるがグッと我慢しよう。
クリームチーズやバターも塗り過ぎるとお腹に溜まるので要注意だ

パーティーに欠かせないフィンガーフード。
ワインを片手につまめるタルティーヌは、フィンガーフードの中でも簡単でおしゃれに演出できるのでおすすめです。
さらに、いろいろなバリエーションで楽しめるのもポイント。赤ワイン、白ワインに合う食材を知っているだけで組み合わせは自由自在、ワンカットを小さく、そして食べやすい分量にするのがGOODです。

グリーンカレーキーマサンドのレシピ

ご主人と息子さんが朝に食べるサンドイッチのレシピを公開。
パクチーの食感がアクセントとなって、朝でも爽やかに食べることができます。
パンはベーグルでも食パンでもソフトフランスパンでも相性抜群です◎

グリーンカレーキーマサンド

グリーンカレーキーマサンド
【 材料 】2 個分
豚挽き肉… 1 2 5 g
パクチーの根・茎の部分… 2 束分
玉ねぎ… 中1/4個
グリーンカレーペースト… 1 0 g
サラダ油… 適量
砂糖… 小さじ1
ナンプラー… 小さじ1
クリームチーズ… 5 0 g
パクチーの葉の部分… 1 束
ベーグル(お好みのパン)
レモン… 適量

【 作り方 】

グリーンカレーキーマを作る。油をフライパンに入れて熱する。パクチーの根と茎を刻んだものをフライパンに入れ、グリーンカレーペーストを入れ、中火で炒める。香りが出てきたら粗みじんにした玉ねぎを入れ、しんなりしてきたら豚肉を入れてさらに炒める。砂糖とナンプラーを入れてさらに炒めれば出来上がり。


上部に切れ目を入れてから横半分に切ったベーグルにクリームチーズをのせ、食べやすく刻んだパクチーの葉の部分をのせ、グリーンカレーキーマをのせ、レモンを絞り、サンドする。

高橋さんのサンドイッチには、常に食べる時間と食べる人を考えた背景がありました。
旦那様と息子さんの朝ごはんは、栄養満点なベーグルサンドを。
一方、夜のサンドイッチは、お酒に合うタルティーヌを。時間や人に合ったサンドイッチは、おもてなしやパーティーにも大活躍。皆様も朝ごはんやワインに合うサンドイッチの参考にしてみては?

たかはしまさこ

【PROFILE】

たかはしまさこ
製パンスクールのアシスタントを経て、ル・コルドンブルーでパン作りを習得。パンとワインの教室『わいんのある12 ヶ月』を主宰。ベーグルショップ『tecona』も好評。『塩レモン・塩ゆずレシピ』(池田書店)など、著書も多い。http://www.wine12.com/

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