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パンに使われる国産小麦はわずか4%!?知っておきたい小麦とブラウン・ブレッドの話

2020/03/24

パンに使われる国産小麦はわずか4%!?知っておきたい小麦とブラウン・ブレッドの話

こんにちは。
暮らし上手編集部です。

 

あなたは、“パン”といったらどんなパンを思い浮かべますか?
きっと、食パンや菓子パンなど、“白いパン”が思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか?

 

でも今回ご紹介するのは、白いパンではなく「ブラウン・ブレッド」と言われる、いわゆる茶色いパン。全粒粉やライ麦を使って作られた茶色いパンは、身体にも優しいと最近ますます注目されています。今日は、そんなブラウン・ブレッドの楽しみ方をご紹介します。

 

 

パンを食べ比べながら食を学ぶ、パン食文化サロンが開催

 

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2月17日、東京農大オープンカレッジで『パン食文化サロン ハード系パンの食べ比べ「三国三様(さんごくさんよう)」』が開催されました。

 

パン食文化サロンとは、農林水産省の都市農村共生・対流総合対策事業で2016年に始まった「麦踏み塾」(神奈川県伊勢原市での、麦踏みや麦刈り体験イベント)の講座として、東京農業大学のオープンカレッジで行われています。専任講師の青沼一彦さんが、毎回多彩なゲストを招き、食文化としてのパンを解説しています。

 

この日は、北海道産の小麦を使った「風土火水」のパンを食べながら、ブラウン・ブレッドの楽しみ方や、日本と世界の農業事情などについて学びました。

 

 

ヨーロッパでは、パンといえばブラウン・ブレッドが一般的

 

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冒頭でも紹介しましたが、ブラウン・ブレッドとは全粒粉やライ麦などを使って作られた茶色いパンのこと。パン屋さんで見かけるものの、実はあまり手に取ったことがない…という方も多いのではないでしょうか?
日本ではあまり馴染みがないですが、ヨーロッパでパンといえば、このブラウンブレッドなのです。

 

 

和食×ブラウン・ブレッドが意外な美味しさ!

 

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ブラウン・ブレッドの普及活動を行うブロート・コネクターの早川ゆかりさん(パン屋「ヴァルト」勤務)によると、ブラウン・ブレッドはスモーブーローにして食べるのがおすすめとのこと!

スモーブローとはブラウン・ブレッドに、バター、サーモンなどをのせた、いわゆるオープンサンドのこと。デンマークが発祥の北欧フードとして日本でもじわじわと注目されています。

「北欧のように美味しいスモークサーモンが手に入らない日本でも大丈夫!」と早川さん。アジフライと付け合わせのキャベツ、アクセントとして季節の野菜の春菊を添えてスモーブローにアレンジするなど、季節の食材で自由に楽しめるレシピを教えています。

 

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講座では、サバの味噌煮や、ようかんや干し柿を全粒粉のパンにのせたスモーブローを試食したのですが、この意外な組み合わせがとっても美味しい!ブラウン・ブレッドはサバの味噌煮ともマッチして、食べ応え抜群!和食にも合うのは、新たな発見でした。

 

このように、食事にも合わせやすいのがブラウン・ブレッドの魅力の一つ。

中でも、ライ麦パンにはサワークリームが良く合います。酸味のあるパンに、あえて酸味のある乳製品をかけ算することで、複雑な味になり、塩分を控えてもしっかりした味を感じられます。おすすめのスパイスはこしょうで、ペッパーハムなどを合わせるとさらに美味しいですよ。

 

具材をたっぷりのせたブラウン・ブレッドをオーブンペーパーでさっと包めば、お弁当にも最適。ハムやマヨネーズ、サラダチキンやピクルスをのせれば、お手軽ランチの完成です。

 

 

ブラウン・ブレッドは食物繊維やミネラルが豊富!

 

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さらにブラウン・ブレッドの嬉しいところは、栄養が豊富なこと!
白いパンは、小麦を製粉する過程で食物繊維や栄養分がどうしても失われてしまうのですが、全粒粉やライ麦のパンにはそれらが豊富に含まれているんです。

 

また、冷蔵庫で2週間、冷凍なら2ヶ月ほど常備しておけます。パン屋で売っているブラウン・ブレッドは大きくて食べきれないかも…と躊躇してしまいますが、こんなに長持ちするなら安心ですよね。

 

 

北海道産の小麦を使用したオーガニックパン工房「風土火水」

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今回は、オーガニックパン工房「風土火水」で作られたパンを試食しました。風土火水は、製粉会社でもあるアグリシステムが運営するパン工房で、北海道産のオーガニック小麦を使用しています。

アグリシステムは、パンの他にもチーズやワインなども自社で製造。無農薬・化学肥料不使用で、地球に優しい食品を作っています。

 

 

日本のパンは、実は96%が輸入小麦!? 国産小麦はわずか4%

 

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日本人の食卓に、今や欠かせないものとなっているパンですが、実は96%を輸入小麦に頼っているそう。日本産の小麦は、わずか4%しか使われていないのです。

輸入小麦は、長い距離を運ぶので運送中に発生する害虫やカビの発生を防ぐために、ポストハーベスト農薬が使用されています。(ポストハーベスト農薬とは栽培期間中ではなく、収穫後に使用される農薬のこと) これらのポストハーベスト農薬に、アレルギー反応を起こしてしまうという話も…。(化学物質過敏症と呼ばれる症状をもつ子ども達にとっては、残留農薬がたとえ基準値以内の検出量でもアレルギーが発症してしまうとされているそうです。)

 

しかし、アグリシステムの小麦をはじめとした多くの国産小麦は、ポストハーベスト農薬に頼らずに生産されています。(ポストハーベスト農薬の使用は国内では原則的に禁止されています。)こうした生産の姿勢は有機JAS認証という形でしっかりと保証されているので、安心ですよね。

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遠くから食品を運ぶということは、それだけ農薬が必要になってしまう場合もあるということ。無理な保存が必要のないものほど危険は少ないそうなので、国産の、そして住んでいる地域のものを食べることを、できる範囲で心がけていきたいですよね。

 

講演会ではこうした話題も踏まえ、地産地消について考えるきっかけになる、有意義なお話を伺うことができました。

 

今後も、パンの食べ比べをしながら、パンや国産小麦について美味しく楽しく学べる講演会が開催されます!

今後は下記2講座が開催予定とのこと。ぜひチェックしてみてくださいね。

 

7月15日「ブラウンブレッドの楽しみ方」 ~基本編~
https://noudaisup.sa-advance.com/lectures/view/2864

 

9月16日「ブラウンブレッドの楽しみ方」 ~応用編~
https://noudaisup.sa-advance.com/lectures/view/2868

 

詳細はFacebook「パン食文化白書」にて更新されます。

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