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革靴を長く美しく履くための手入れテクニックを徹底解説!

2018/12/10

革靴を長く美しく履くための手入れテクニックを徹底解説!

履けば履くほど素敵な味わいを増す革靴。お気に入りの1足は、美しく長く履き続けたいですよね。革靴のお手入れができていると足元が美しく見えるので、好印象をもたれます。そのため、お手入れは欠かせません。しかし、忙しいなどの理由でなかなかお手入れできない人も多いはず。さらに自分でお手入れする方法もよくわかっていなかったりします。クリームの塗り方、ブラシの選び方、ワックスでの磨き上げなど。革靴がもっと好きになるそんなお手入れ方法を工程順にご紹介します! 

 

美しいレザーシューズの定義

レザーシューズ店『ショセ』で店頭に立ち、多くの靴を見てきた森島達也さんに、美しいレザーシューズの定義を伺った。「きちんと手入れをしている人の靴は傷が目立たずツヤがあり、品のよさが漂います。こまめに修理している人は、特にすり減りやすいかかとまできれい。たまに驚くのは、コバという靴の側面の縁取りまでピカピカな方。ここまで手入れができている方はかなり丁寧だと感じます。レザーシューズは、持ちや美しさが使う人によって変わるというのも、大きな魅力ではないでしょうか」

自宅で簡単お手入れ術 道具をそろえよう

生活の中でついた傷や汚れは、自分でも日常的にケアすることができます。お気に入りのシューズを長く履くため、道具を揃えケア方法を習得しましょう!

リペア用品

レザーシューズのケアに必要なツールたち

傷や汚れは早めの修復が重要だから、ケア道具はシューズと同時期に購入がベターです。防水スプレーはクリームの浸透を防ぐ商品もあるので、使用する場合は内容の確認をしておくと◎。

A.水性クリーナー
革靴を磨くとき、ブラッシングするだけでは落とせない汚れ、古いクリームなどをクリーナーを使って拭き落とします。

B.古着の切れ端(綿素材)
余計な油分を拭き取ります

C.クリーム(ブラウン・無色)
水、油、蝋で作られたクリームは「靴の美容液」とも言われ、保湿クリームのような役割を果たしてくれます。革の表面に塗り込むことで保湿し、ツヤと発色を良くしてくれれる効果がある

D.ペネトレィトブラシ
靴クリームを靴全体にまんべん無くしっかりと塗りこむことができます

E.馬毛ブラシ
馬毛のブラシは豚毛に比べて軟らかいので、クリームを塗る前にほこりを払ったり、乾いた状態で仕上げのブラッシングに使ったりするのも効果的です

F.豚毛ブラシ
クリームを塗り込むのに使うブラシは豚毛がおすすめ。比較的に硬めの豚毛は、革靴の縫い目や隙間まで入り込んでホコリを掻き出したり、クリームを隅々まで行き渡らせたりすることができます

G.シューツリー
革靴の形を崩さないようにキープしてくれるシューキーパー。
こちらをシューズに入れることで、これから行う作業をやりやすくします

 

セルフメンテナンスを習得しよう!

傷ありアッパーに大きな傷を発見! 
この程度なら家でも簡単に消せるのでチャレンジしてみましょう!

木型を入れて履きシワを伸ばす

1.靴に木型を入れて履きシワを伸ばします。靴紐がついている場合には、紐の隙間のほこりもとるために、紐をほどいて、取ってしまうこともおすすめ。白い紙を詰めても代用できるので始めたいときに始められます!

靴全体をブラッシング

2.柔らかい馬毛のブラシで、前から後へとブラシをかけて靴全体をブラッシングします。縫い目や革の重なっている隙間、シワやコバの部分まで入念にブラシをかけると◎。また意外と目立ちやすいヒール部分も、しっかりとブラッシングしましょう。

クリーナーを染み込ませてなじませる

3.指にクロスを巻きつけ、クリーナーを染み込ませてなじませます。靴の表面についた古いクリーム汚れを大まかに落とすためです。乾いた布に適量を含ませ靴全体を優しくさっとふきあげます。 (汚れがひどくなければこの工程は行わなくてもOK)

汚れと古いクリームを落とす

4.靴全体を撫でるようにして、汚れと古いクリームを落とします。革に栄養を与え、補色効果があるクリームを乾いた布に適量とり、薄く伸ばしながら靴の表面に塗り込んでいきます。布がない場合はブラシを使用するか、直接手で塗り込みます。大事なのは手早く全体にまんべんなく塗ること!

ペネトレィトブラシにクリームをつける

5.ペネトレィトブラシにクリームをつけ、蓋で過剰分を落とします

靴のシワの奥まで丁寧に塗りこむ

6.クリームを薄く伸ばし、靴のシワの奥まで丁寧に塗りこむ

豚毛ブラシを全体にかける

7.クリームが乾く前に豚毛ブラシを全体にかけ、余計な油分を取ります。艶が出るまでしっかりブラッシングするのがポイント!ブラッシングによって、角、穴飾り、皺などの隅々までクリームがいきわたり、全体に薄く均一にクリームを馴染ませることができます。 残っていた古いクリームも新たなクリームによって溶け合うのです。

クロスでから拭き

8.クリームが革に浸透したら、クロスでから拭きをしてベトつきを取り除き、ツヤを出します

革にツヤもよみがえって美しい靴に

9.傷や汚れが目立たなくなりました!革にツヤもよみがえって美しい靴に

革靴のお手入れQ&A

革靴のお手入れをするにあたり、みんなが悩みがちなことについて、森島さんが答えてくれました。

Q どれくらいのペースで手入れをすればいい?
A 正解はないのですが、2 ~ 3 回履いたら一度手入れを。逆に毎回クリームを塗りこむと革が柔らかくなりすぎてしまいます。ブラッシングは毎回でも◎。

Q 色つきと色なし。クリームの選び方は?
A どんな色にも対応する無色がおすすめ。革の色抜けが気になる場合は、色つきクリームで戻すことができますが、ほかのパーツへの色移りに注意して。

Q 白レザーを長く楽しむためのポイントは?
A 基本は紹介したお手入れ法でOK。黒い筋などの傷は、消しゴムを軽くかけて落ちる場合も。修理屋によっては染め直しをしてくれるところもあります。

Q 濡れてしまったとき、家でも対処できる?
A クロスを水で濡らして軽く絞り、靴の濡れた部分へ叩きこみます。そこから全面を濡らして濡れ感を統一。風通しのよい日陰で乾かしましょう

美しい革靴には4つのポイントがあります。1.つま先、かかとに細かな傷が少ない。2.ソールの削れがなく、カサカサしていない。3.ほこりや汚れがなく、ツヤやかな状態。4.紐や紐に付随しているパーツまで手入れ済みです。面倒だと思いがちなお手入れも流れや道具の意味を知ることで、愛着を持って取り組むことができるはずです。いつまでも美しい足元をキープするために、今日からあなたもセルフリペアにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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