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「わたしの胃袋ごはん」vol.15 暮らし上手のたまごさん 山崎ぼぶ

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2018/04/24

「わたしの胃袋ごはん」vol.15 暮らし上手のたまごさん 山崎ぼぶ

運動が嫌いです。いや、苦手だから嫌いなんです。
とあるバラエティー番組の運動音痴芸人なんか見ていると、少し笑えない自分がいます。
あんなの冗談でしょ、っていう人もいるけれど、運動のセンスがないんだからしょうがないんです。どんなに頑張っても足は遅いし、走り幅跳びは遠くに飛べないし、高跳びなんて踏み込むタイミングがわからない。
それでも、運動会は好きでした。
背が低いから玉入れも活躍できないし、まじめに借り物競争をやると要領のいい子に先越されていつもビリ。つまり、ドンくさいわたしが唯一好きな時間は、家族と食べるお昼ごはんでした。運動会は決まって「いなり寿司」。甘く煮たお揚げに優しい酸味の酢飯、白ゴマをたっぷり混ぜただけのシンプルさ。皮を裏返して包むのが我が家流で、子どもの頃母に理由を聞いたことがありました。母は「甘い味がご飯に馴染むから」そう言って、笑っていた記憶。いなり寿司=運動会、これは一生わたしのリンク先です。
今年のGW、久しぶりに母とピクニックにでも行こうかな。
寿司酢じゃ無くてレモンを利かせた甘酢で。ゴマじゃなくてセリとミョウガで。裏返しじゃなくて頭出しで。運動音痴でも運動会が嫌な記憶じゃないのはあなたのおかげです。
お礼の胃袋ごはんもたまにはいいよね。

スタイリング:木村遥

山崎ぼぶ

料理家山崎ぼぶ

料理家のアシスタントについたのち、出版社の編集部に所属。雑誌、WEB、メルマガ等を担当し、料理と編集の両方に携わる。季節の食材を使った色鮮やかなレシピを得意とする。現在、ファッション通販サイト「haco!」にて料理とファッションの連載中。

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