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「カラダごはん 松の香りのお月見餅」コウ静子

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2018/09/21

「カラダごはん 松の香りのお月見餅」コウ静子

木々たちが色づき始め、深まる秋を彩ります。田畑では作物が黄金色に輝き、
その豊かな実りに大地の力強さを感じます。
旧暦の8月15日、韓国では秋夕(チュソク)という名節です。
秋夕の朝には、先祖をお迎えし豊年を祝う茶礼を行います。
用意される料理は茶礼床(チャレサン)と呼ばれ、新米でご飯を炊き、
里芋のスープを作ります。新米でソンピョンというお月見餅を作り、
りんごやなしなどの果物、栗やなつめなどの木の実など、
その年に収穫された作物を取り揃えます。
上新粉の生地に緑豆の餡を包んで松葉を敷いた蒸し器で蒸し上げ、松の香りを移します。
秋夕は、月が明るく輝く満月の日。韓国でも日本と同じように
月にはうさぎが住み、餅つきをしていると言われています。
こうして豊かな秋を迎え、自然の恵みに感謝し、変わることのない
自然の営みを感じながら、月を愛でると、なんだか心も新しく生まれ変わるようです。

コウ静子

料理研究家コウ静子

料理研究家。料理研究家である母、李映林氏のアシスタントを務めたのち独立。韓国薬膳要素を取り入れた、身体に優しい料理に定評がある。雑誌や書籍、テレビ番組などで活躍中。著書に『症状別 不調の時に食べたいごはん』(家の光社)などがある。

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